「ほんとにいいと?」

「うん、類と一緒に福岡にいたい」

「あんだけ東京に帰りたい〜って言っとったくせに」

「あの時は……ごめんなさい」

「珍しい、ゆらが反抗せんで素直やん」

「……うるさい」

「じゃあ俺も素直にならんといけんね」



いつもの調子に戻った類は、ちょっと意地悪なことを言い出したから、じとっと下から顔を見る。

ところが、私が一番好きな無邪気な笑顔で私を見つめていたから、睨むのはやめた。



「オレと付き合ったこと、後悔させんようにするから、これからもオレと一緒にいて」



飾らない言葉だけどプロポーズみたい。

だけどこれ以上ない、真っ直ぐな伝え方だと思った。



「うん、もう二度と離さないでね」

「ゆらが望むなら、オレはずっとゆらの隣におるよ」



私を勝手に突き放したこと、もっと文句言ってやるつもりだったのに、その笑顔を見せられたら何も言えないや。

やっぱり、遠藤くんには敵わない。





END