遠藤くんには敵わない

「類が福岡のこといっぱい教えてくれたから、福岡のこと好きになったんだよ。だから責任取ってよ」

「責任?」

「私の意見を聞かないで、突き放したりしないで。
私……類とこれからも一緒にいたいよ」



一緒にいたいと言葉にしたら、頬を涙が伝う。

あーあ、笑顔で仲直りするつもりだったのに、失敗しちゃった。



「類のこと、好きだから……そんな簡単に、嫌いになれないんだよ」

「ゆら……」

「私、単純だから、ずっと信じてるんだよ。
類が私と、結婚したいって、言ってくれたこと」



嗚咽のせいでうまく言葉にできない。

どうしよう、こんなつもり無かったのに。

なんとか泣き止んで類を説得しようとしたけど、
うまく喋れない。