「俺やったら、遠距離は無理やけん、好きな相手ができたら絶対手放さんけどね」

「遠距離って言うか、類はもう私に興味ないから東京に言って欲しいんじゃなくて?」



そう言うと、麗くんはちょっと困ったような顔をした。



「ゆらちゃんはさ、類のことまだ好き?」

「好きだけど、類が私のこと好きじゃないなら、もうこのまま自然消滅でいいと思ってる」



麗くんは「ふーん」と感情の読めない返事をすると、ふといじわるな顔で笑った。

え、なんで笑ったの?



「類って優しいやん、そんでもってバカ」



類が優しいのは知ってる。

だけどそれは私が知ってた類であって、類の本心なんて何も分からない。