「自分から告白して付き合ったの、ゆらが初めて」

「……ウソ!福岡、美人多いからよりどりみどりだったでしょ!?」

「いや、言い方。そんな相手おらんかったって。本気で人のこと好きになると思ってなかったもん」



これは、夢?だけど類の胸から伝わる心臓の音が嘘じゃないと教えてくれた。



「あのさ、引かんでね」

「……何が?」

「ゆらとは、あわよくば結婚したいって思っとうよ」



なに、それ。類は私が思い描いてるもっとずっと先の未来のことを考えてたってこと?

期待しちゃうじゃんか、やめてよ。



「やけんなんで泣くん?嫌なん?」

「違う、嬉しいの」

「だいたいさぁ、こんなに意地っ張りで泣き虫で素直で可愛いゆらを、オレが手放すわけないやん」

「そっか……」

「安心した?」

「うん、類……好き」



安心して好きと伝えたら、類は私の頭を撫でてギュッと抱きしめてくれた。

暖房の効いた暖かい部屋。2人で抱き合っていたら、いつの間にか眠ってしまっていた。