「こんにちは、ゆらちゃん」



門の外に出ると、仁奈さんはにっこり笑って挨拶してくれた。

笑うと麗くんに似てるのが不思議。

そして隣に立つ陸さんは、ずっとにこにこ笑っててご機嫌だ。

慣れないイケメンの笑顔は心臓に悪い。



「今回もおふたりで帰省なんですね」

「うん、結婚することになってその挨拶に来た」



って、結婚!?

そっか、仁奈さんは26歳で、陸さんは29って言ってたっけ。

年齢的には結婚適齢期だもんね。

そして遠藤兄弟が教えてくれなかった理由が分かった。

結婚するって認めたら、大好きなお姉ちゃんが盗られる気がして嫌だったんだ。

気持ちは分からなくもないけど、ふたりともまだまだ子どもだな。