「類、母さんがメシできたって」



同時にビクッと肩が震えて、声がした方を見る。

そこにいたのは、ニヤニヤしながらこっちを見る麗くん。

ちょっと、麗くん絶対わざとカーテン開けたでしょ。

最悪!麗くんにイチャイチャしてるとこ見られた!

私は恥ずかしくて顔を隠してしゃがみ込んだ。



「麗、お前ふざけんなよ!」

「甘いったい、悔しかったらもっと周りに警戒してイチャついて」

「ムカつく〜!覗いたのそっちやん!」



麗くんを睨みつけながら自分の部屋に戻っていく類。

「二度と覗きとかすんなよ!」と怒りながら、ふと恥ずかしそうに振り返ってきた。



「……バイバイゆら、また明日」

「ま、また明日……」



そこは律儀にちゃんと挨拶するんだ。

手を振ってバイバイしたら、類の色っぽい表情を思い出してまた赤面した。

私はしばらく頬の熱が引かなかった。