「やっぱりまだ麗が好きと?」

「え、だから何のこと?」

「ゆら、麗に告ったんじゃないと?」

「……は?」

「え?」



麗くん、とんでもない嘘で類のこと惑わせてるじゃん!

さすが腹黒、後で文句言いに行こうと思ったけど、類の誤解を解くのが先だ。



「私、麗くんに告白なんかしてないよ」

「え、じゃあ、麗の嘘ってこと?」

「そうなるね……類があからさまに私のこと構うから、からかってみただけじゃない?」

「てことは、俺の勘違い?」

「うん」

「はぁぁ、よかったぁ……」



類は安堵のため息をついて、腰が抜けたみたいに座り込んだ。

しばらくして顔を上げると、私の手を握ってかしずくように手の甲にキスをする。

何してんの類、王子って柄じゃないでしょ。

どこで覚えたのそんなアピールの仕方!