「ゆらとふたりきりで遊びたい」

「っ……」

「ダメ?」

「ダメじゃない、遊ぼ!今度、どこ行くか話し合おう」

「いいと?」



母性本能に訴えかけるような上目遣いに胸が痛い。

なんなの、類が可愛すぎてしんどい。



「うん、福岡のいいところいっぱい教えて」

「分かった、任せとって」



トドメを刺すかのように無邪気な笑顔を向けられ、私は思わず胸を押さえた。



「ん?どうしたと、変なポーズして」

「なんでもないから……博多弁講座の再開をお願いします」

「ふはっ、変な顔」



平常心でいようと、顔にギュッと力を入れたら笑われた。

忘れてた。類の本当の笑顔は、独り占めしたくなるくらい綺麗なんだって。