「そういやゆら、お母さんにアナベル渡した?」

「うん、すごい喜んでた。花咲いてきたよ、見る?」

「そうなん?見るー」



類は何考えてるか分からない。

けど、最近の類は嫌な感じがしないから気さくにいろいろ話せる。

庭に呼ぶと類は後ろをついてきて、大きな鉢に植え替えたアジサイを見つめた。



「お、だいぶ咲いとーやん。いいね」

「類もお花好き?」

「まあ、嫌いやったら母さんの店手伝ったりせんと思う」

「お手伝いするんだ、えらいね」

「なんか小馬鹿にしとらん?」

「し、してないしてない」

「嘘下手か」



花を愛でる類の目がすごく優しくて、つい惚れそうになった。