「そういえば、麗くんあのラッコ誰にあげたの?」



話を終わらせたくなくて、今度は私から話しかけてみる。

すると麗くんは参考書を閉じて私に近づき、スマホの画面を見せてきた。

そこには、枕元に置かれているラッコのぬいぐるみが。

女子っぽいベッドだけど、これはいったい誰の?



「……どちら様のベッド?」

「仁奈姉の」

「ああ、そうだったんだ」



今度こそ彼女と思ったら、またお姉ちゃんだった。

お姉ちゃんにぬいぐるみ贈るなんて、今さらだけど、もしかして遠藤兄弟ってシスコン?

まあ、あんな綺麗で優しそうなお姉ちゃんだったら、私も間違いなくシスコンになる気がする。

いいなあ、私もお姉ちゃん欲しかった。