抱きしめられた瞬間…



夢じゃない事を実感した。



「よかったー」



先輩を見上げると、ニコって笑ってそう言った。



少し前まで…



先輩の彼女になれるなんて思っていなかった。



片想いだと思ってた。



「今日からよろしくな、志帆。」



名前を呼ばれて



先輩の彼女になったことを実感する。



『はい!』



その時、目の前が真っ暗になって唇にやわらかい感触。



嬉しくって…



ぼーっとしてたら先輩に笑われた。



『笑わないでよ!ビックリしたんだから…』



「ごめん、ごめん。」



先輩は笑うのを止めない。



『もー。先輩キライっ』



嫌いなわけない。



気持ちが通じ合って二人の間に壁がなくなった。



こんな風になれるなんて夢みたい…



「あっ!その先輩っていうのやめろよ。…翼って呼んで。」



『…翼!!!!!!』



神様…今、私はとても幸せです。