天使が抱える心の闇


彰さんは、それだけ言うと向かい側のソファーに腰掛ける。
釣られて拓ちゃんも隣に座る。

『私が気付かないわけないでしょ。
雰囲気が一般人とは違う。
独特な空気があるんだよ。

それに、黒龍幹部の名前くらいは知ってる。』

黒龍は、ここら辺じゃ有名な族だ。
女子たちがキャーキャー騒いでるのを聞いてるからな…。
ハッキングなんかしなくても…ね。

拓「まぁ、あいつらは有名だもんな…。
華龍と違って、トップも顔は割れているしな。」

そう、華龍はトップシークレット。

彰「それも、お前のハッキング能力のおかげだよな。」と呑気に言ってくる彰さん。

『彰さん…。』

私は、ハッキングにおいて世界1の腕をもっている。
華龍の情報は、私が隠している。


しばらく理事長室で話していると、チャイムがなる。


『はぁ…そろそろ戻らなきゃね…。蘭が心配する。』

2時間目からでも出ないとね!
成績優秀な良い子って認識されてるから(笑)

『ほら、拓ちゃんも次、授業あるでしょ。行くよ!』

扉の前まで歩きながら拓ちゃんに声をかける。
やばっ…っとコーヒーを一気に飲み干し私の元へと駆けてくる。

『じゃぁね!彰さん!また来るよ~』


クラスに戻ると蘭が心配そうに扉までくる。

蘭「大丈夫?今日行くの辞めとく?」

「いや、大丈夫だよ(ニコッ」

心配かけないためにも、笑顔を向ける。

2人で席に着くと、楓と奏が近付いてくる。

楓「体調悪いって聞いたけど、大丈夫~?」

『大丈夫だよ。心配してくれてありがとう(ニコッ』

奏「君たち2人の名前教えて欲しくて。
席も近いし仲良くしてくれると嬉しいなぁ~!」

そんな、キラキラした目で見なくても…。

『相澤 莉乃。よろしくね~』

蘭「前園 蘭。よろしくね!」

奏・楓「「じゃぁ、りーりーと、らんらんだね!よろしく~!!」」

私は、ビックリして蘭の方を見る。
蘭も同様のようだ。

『プッ…なにそれ(笑)
私たちのあだ名?』

クスクスと笑ってる蘭。

楓「そうだよ~!」

奏「可愛いでしょ!」

なんでこんなに得意気に言ってるのだろう(笑)

蘭「パンダみたいなあだ名付けないでよ(笑)」

2人でツボに入った。
暫く笑ってると、奏と楓の後ろから声がした。

優「随分楽しそうですね。」

佐伯 優斗。黒龍の副総長か。
私たちを、見定めるように見てくる。

『えーと、佐伯くん?だっけ。
うん、立花ブラザーズに変なあだ名付けられて笑ってた(笑)』

蘭「いや、立花ブラザーズってなに(笑)」

『だって、名前で呼んでいいって言われてないし。』

蘭「だからって、立花ブラザーズはないわ(笑)
りーりーと、らんらん並にないわ(笑)」

え~…。そんなに笑う?
奏と楓はゲラゲラ笑ってるし。
佐伯くんに至っては、口元を抑えて肩を揺らして笑ってる。

奏「はぁ~!!こんなに笑ったの久々!
僕のことは奏でいいよ!」

楓「僕も~!楓でいいよ~!
2人とも本当に面白いね(笑)」

まだ、クスクスと笑ってる。
そんなに笑わなくてもいいじゃん…。

チラッと蘭を見ると笑い疲れたのか、ゼーハーしながら呼吸をしている。

優「僕のことも、優斗で大丈夫です。
よろしくお願いしますね。蘭さん、莉乃さん。」

『莉乃でいいよ~。同い歳だしね。』

蘭「私も、蘭で大丈夫!」

優「分かりました。」

ガラガラ…

そんな話をしていると、授業の準備を終えた拓ちゃんが戻ってきた。

拓「おーい、席つけ~!
テストで点さえ取れば、自由でいいが。
テストで点取れないものは、授業にはしっかり出ろよ~!」

私たちは、それぞれ席に着いて拓ちゃんの話を聞き始める。

すると、横目に優斗が滝川 翔に何かを話しているのが見える。

まぁ、きっと関係ないだろう。

それから拓ちゃんは、「面倒臭いから、今日は自習にするか~」とどこかへ消えてしまった。

今日は、もう授業ないし。
帰って少し寝るかなぁ。

S高は、完全寮制。
私の部屋は最上階にある。
隣に蘭の部屋。
残りは空き部屋になってる。

ん?空き部屋…?
………2人部屋と、3人部屋…。

黒龍とは、よく会うことになりそうだ…。

蘭「一回帰ってからにする?」
いつの間にかに帰り支度を終えた蘭が横から声をかけてくる。

『うん。一回帰ってからにしよ~!』

帰り支度をし始めると、前に気配を感じて顔をあげる。

優「少し付き合って貰えませんか。」

ん?付き合って??何処に?何に??

そんな疑問を浮かべていると顔に出ていたのか

優「えーと、僕ら、今日転校生してきたばかりなので…。学校を案内して欲しくて。」

『あ~!そういう事ね!
それなら、いいよ~!蘭も一緒で良いでしょ?』

優「はい、それは構いません。」