私、相澤 莉乃(あいざわ りの)
私立 桜嶺学園(さくらみね)通称S高に通う1年生。
桜が散り、暖かい風が窓からは入ってくる。
窓際の1番後ろの席にボーッと座りながら空を眺める。
『はぁ…』
早く学校終わらないかなと物思いに耽っていると横から声がした。
?「莉乃~っ!聞いてよ~!!」
ふと目線を横にすると、茶髪のショートボブが目にはいる。
?「ねぇねぇ、昨日ねー…」
明るく話す彼女は、前園 蘭(まえぞの らん)
5歳の頃からいつも一緒にいる。
パッチリとした二重
鼻筋の通った小さな鼻
薄くピンク色の唇
すらっとした手足
誰が見ても美少女だと言えるだろう。
蘭「ちょっと!莉乃!聞いてるの!?」
横目で彼女の容姿を見ているとプンスカと怒りながら話しかけてくる。
『あ~、ごめん。聞いてなかったわ。』
もうっ!と言いながら、むくれている姿にクラス中の男の子は頬を赤く染めている。
全く…。この子は本当に…。
『可愛い』
蘭「はぁ~…。もう、いいわ…。
それでね、凌が今日は来て欲しいって言ってたよ。
昨日、電話かけたのに出ないし、折り返しも来ないって怒ってたわ。」
ため息混じりにそんな話をされる。
昨日…?
あ~、昨日は仕事行って疲れてシャワーだけ浴びて寝ちゃったんだっけ。
学校が遅刻ギリギリだったから、スマホも見てないもんな。
今日か。今日は行けるな。
『分かった。私から凌には謝っとく。
ありがとうね、蘭』
にこっと笑顔を向けお礼を言えば、その倍くらいの笑顔を向け笑ってくれる。
ガラガラッ…と扉を開けて入ってきた先生を見て、周りは慌ただしく席に着いてる。
蘭は私の隣の席について、ホームルームが始まるのを待ってるようだった。
先「あ~…。今日はクラスに転校生が来る。
仲良くするように。」
と面倒くさそうに言ってる先生は、欠伸をしながら廊下側を見ている。
ゾロゾロと5人の男の子達が入ってきた。
先「自己紹介」
それだけ言うと窓際にあるパイプ椅子に腰掛ける。
?「滝川 翔(たきがわ しょう)」
と名乗った男の子は黒髪をしたイケメン。
?「僕は、佐伯 優斗(さえき ゆうと)です。よろしくお願いします。」
色素の薄い茶髪でメガネをクイッとかけ直すイケメン。
?「あ、はい!!次僕ね!僕は~、立花 楓(たちばな かえで)だよ~!!
奏とは双子の兄弟だから、よろしくね!」
ピンク色の髪をふわふわとさせながら、可愛く自己紹介している美少年。
?「楓の弟の立花 奏(たちばな かなで)だよ~!よろしくね!」
水色の髪の毛をふわふわとさせながら、楓のように自己紹介している可愛い美少年。
?「…黒木 海斗…。」
綺麗な銀髪をしているイケメン。
………………。
待て待て、なんだこの美男子揃い。
ジャニ〇ズです。モデルです。
って言われても納得してしまうほどの容姿を持っている。
そんな彼らにクラス中の女の子はメロメロだ。
先「あー、終わったのか。
席は~……。相澤の前が空いてるか。
じゃあ、そこで。HRは以上だ。」
言うだけ言って消えた…。
待って、え…私の前…?って言ったよね。
確かにさ、空いてるよ。
この学校は、言わば不良校。
女子も男子も、暴走族に入ってる子が多い。
そのため、1ヶ月間で辞めた子も結構いる…。
楓「相澤さーん!!相澤さんって誰っ!!」
キョロキョロしながら私を呼ぶ可愛い男の子。
『はーい!私です!』
