結局、遠藤は何も言ってこなかったが、公園を出ても、遠藤の言葉が健治の身体中に纏わりついていた。「守ってほしい」なんてことを、言葉でも態度でも表した覚えは健治には無かった。遠藤を愛してはいたが依存はしていなかった。依存していたのはむしろ遠藤の方で、会いたいと言ってくるのも、セックスを迫ってくるのも遠藤の方だった。それなのにあの遠藤の言葉である。堪らなく悔しくなった健治は、とりあえず歩道の植木に唾を吐き捨てた。
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