「しーちゃん!お願いがあるんだけど、、」

ホームルームが終わった瞬間、前の席に座ってた陽菜が振り返って手を合わせている。

「どうしたの?」

「今日の部活休むって愛莉ちゃんに伝えといてくれないかな…?」

私と陽菜はクラスメート兼、部活仲間だ。

今日は移動教室が多かったこともあり、違うクラスの愛莉に伝える時間が無かったのだろう。

「いいよ、代わりに伝えとくね。」

「よかった~焦ったよ、」

胸に手を当て、ホッとしたようすがうかがえる。

くりくりとした丸い目、

小柄な身長、

笑ったときに見えるえくぼ。

こんなに可愛い子のお願いを断れる人はいないだろう。

「もう行かなきゃ!ばいばい」

机の上に置かれてた教科書類をカバンにしまい、手を振りながら去っていった。

(1人かぁ…)

陽菜がいなくなったことで急に孤独感を感じ、私も教室を出た。