「あれっ?珍しいね!手下くんが家の前で待っててくれるなんて!!」



「俺はお前の手下なんだろ?なら迎えくらいは来てやらねぇとなって思って。」



「さっすが!いやぁやっぱり違うね!!」



「何がだよ。ほら、早く行くぞ。」



今日は珍しく俺が5分前から智花の家の前で待っていた。

この5分間がこんなに長いと思ったことはない。緊張で胸がはちきれそうだった。



これが恋ってやつか。なんでもっと早く気づかなかったんだろう。

《鈍感》なのが俺の悪いところ



「なぁ。」



「ん?どうしたの?手下くんから話しかけてくるなんて珍しいね!雪でも降るんじゃない??笑」



「うるさいわ。ちなみに、今日の帰り少し時間あるか?」



「え、あるけど、なんで...?」



「ちょっと遠回りして帰ろうぜ。」



「おお!いいね!!」



きゃーーー!!これもしかして告白の流れ!!!???どうしようどうしよう!!



言ってしまった。具体的なプランも立ててないのに誘ってしまった。

とりあえず、遠回りしてコンビニで何か物を買って人の少ない公園でいい雰囲気になったら実行しよう。



放課後



「さっ!帰ろー手下くん!!」



「あぁ。なんかコンビニで食い物でも買って公園行こうぜ。」



「いいね!行こ行こ!!」



「ありがとうございました~」



「この公園で一休みするか。」



「うん!」



よし、後は雰囲気に任せてみるか。



「いやぁこの公園初めて来たよ!なんかすごいのどかだね!!」



「そうだな」



「あ!そのジュースおいしそう!一口頂戴!!」



「あっ!ま、いいか」



「おいしい!あ、これ白桃じゃん!!どうりでうまいわけだ!!」



「俺も白桃好きだからさ。」



「そうなんだねぇ~

私の手下になってから好みが私に近づいたんじゃないの?笑」



「そうかもしれないな。」



よし、今ならいけるか。一か八かだ。行くしかねぇ!



「なぁ。智花。」



「ひぇ!えっ、なに!?名前で呼んだ!!」



「そんな驚くこと無いだろ。

それは置いといて...」



「智花。俺と...もしよかったら...付き合ってくれないか。」



あああああ!言ってしまった。俺はこの瞬間、頭が真っ白になった。

でも少しだけ心の中にあったモヤモヤがスッキリしたような気がする。

俺はこの告白は成功したと思った。だって、智花は俺に対して明らかな好意(?)を見せていたような気がするし、根拠のない自信があった。