涼やかな風





「パパ、ママ。大事な話があるの。」




夕食も終わりそうなころ、お姉ちゃんが言った。





「「なに?」」




「どうして、紗和と拓徒くんのこと、許してあげないの?
あたし、聞いたよ。パパとママが話してるとこ。
許してあげたいと思ってるなら、素直に認めればいいじゃない!!」




お姉ちゃんは怒っている。





パパとママは、いつも怒らないお姉ちゃんに、たじろいでいる。





「紗和、ごめんな。」





しばらくして、パパがあやまってきた。