「満足するまでって曖昧か?」
「う~ん・・・・まあ」
「そうだな、期間は文化祭終了まで俺の犬ってことで・・・・いいな?」
「じゃあ、参加してくれるんだよね?「それはお前の頑張り次第だ」

大和君に満足するまでって曖昧だ期間を設定して欲しいと言った時の答えがこれ
彼曰くミスター聖徳とやらにはなりたくもないし出る気も毛頭ない
譲歩してやる俺に感謝しろとのお言葉をいただいた
まあとりあえずあたしが頑張って言われたことを忠実に従えば出てくれるみたいだし
うん・・・・・出てくれるように頑張ろう
部長にも顔が立つしとりあえず良かったかなって考えてたあたしが甘かった


正直後悔した、やっぱり断られました出られませんでしたって言えばよかった
犬になれって言われたとききっぱり断ればよかったと何度後悔したことか・・・・


まず、それは犬になれ宣言した翌日からそれは始まった
「お前、飯つくれ」
その一言で彼の昼ご飯をすべて作ることになった
ええええっ・・・・食費があああって思ってたら彼に現金30万円ほど頂いた

「これで足りるか?好きに使えよ」

思わず絶句・・・・・
こんなにいらないっての、多すぎるし
まあありがたく使わせてもらうけど大和くんちってどんだけ金持ちなの?
って疑問がふつふつとわいた
だけど彼の家にはおばあちゃんがいるらしく晩御飯とか朝食はおばあちゃんとふたりで作ってるんだとか
お弁当とかお母さんに作ってもらえないの?
って聞いたら大和君の強烈な一言


「あの女に飯なんざ作ってもらったことがない」


彼の一言に唖然とするしかなかった
お母さんとの親子関係がこの一言でわかったような気がした
あたしは部外者だから何も言えないしなんて言葉をかけていいのかわからない
とりあえずは頑張ってお弁当作ろうって思う
だから彼に対して精いっぱいのことをしようって思った
思ったんだけどね・・・・


「米は新潟産のこしひかり、味噌は赤味噌、醤油は減塩醤油しか家では使わねえ」
「弁当の中にフルーツ入れるなよ」
「あ、そうそうトマトと梅干は食い物じゃねえからそのふたつは絶対入れんなよ」

その他にも信じらんないくらい細かく言われて頭が痛くなった
鶏肉は胸肉は食わないからささ身とモモ肉のみそれも肉類は全て国産オンリー
野菜はあんまり好きじゃないからほどほどに・・・・
魚も白身の魚は好きだけど他はあんまり好きじゃない

って・・・・・あんたいったい何食べてんのよ
思わず全身で突っ込みたくなった