暖かい・・・・
なんだろう?この全身を包まれているような暖かい感触
まるで小さい頃お母さんに抱きしめられているような
あ・・・・・いい匂い、これは柔軟剤の匂いかな
でも、本当にいい匂いもう少しこの感触を味わっていたい




・・・・・・ん?感触?
この肌の感じって・・・・え?



「おはよ、百花」


って・・・・・え?
ま、待って待って待って!!!


「な・・・・・なんで?」
「なんでって何?」
「なんで大和君がここにいるの?」
「なんでって今日から俺はここの住人」
「それはわかってるけどな、なんで?」

「ああ、一緒に寝てるのは何故かって言いたいんだ?」


不敵な笑みを浮かべあたしに問いかける目の前の男
いまあたしは彼、大和君に腕枕をされて至近距離で会話をされている
たしかに昨日の夜はひとりでお布団に入ったはず
それは間違いない!!一体何故こんな状況になった?


「部屋間違えた・・・・」
「へ・・・・?間違えた?ほんとに?」
「ふっ、可愛いなあ百花は」
「茶化さないで!!昨日あたしは確かにひとりで寝たはず」
「そうだねえ・・・・「どうして?間違ったってのは噓でしょ?」
「あ~そんなに怒んないでよ、まあ起こった顔も可愛いけど」
「大和君!!」



「我慢できなかった・・・・・こんなに近くに百花がいるのにひとり寂しく寝るなんて寂しくてどうにかなりそうだった」


そう言って縋るような瞳をする大和君
捨てられた子猫みたいな目をする彼がなんだかとっても愛おしくてどうにかなりそうだ


「百花、いい匂いがする何かつけてる?」
「ううん・・・なんにもつけてないよ」
「あ~百花柔らかくってずっと抱きしめてたい!!」
「ちょっと待って、いい加減起きないと遅刻する!」
「嫌だ・・・・今日ずっと百花とこうしていたい」
「駄目!!試験も近いんだから学校行かないと」


あたしを抱きしめたまま時折触れるようなキスをする
このままではあたしの心臓がもたない
本音をいえばあたしもこうしていちゃいちゃしていたいけど学校は休めない
あたしは無事に卒業したいんだ!!

「離して・・・・・真面目に起きないと」
「百花がキスしてくれたら起きる」
「・・・・・・」


キ・・・・キス?!
な、なんでそうなる?仕方ないな・・・・
そう思ったあたしは大和君の唇に触れるような軽いキスをした
ほっぺにって思ったけど大和君はそんなのキスじゃないって言われそうって思ったから


あたしは彼の腕が緩んだ瞬間布団から抜け出した
ちょっぴり寂しいなって思ったのは内緒