幼馴染大和君の執着愛~俺の最愛の番~

な・・・・・ない!!!
え?な・・・ないんだけど?!
女の子にあるはずの胸が・・・・ない


「え?どうして・・・・まさか和希さんって」
「そのまさかだよ」
「百花ちゃんの考えがあってると思うよ」


お・・・・・男!?
この超絶美人がまさかの男?
えええええっ、嘘でしょ?!


「本当に男・・・・・なんですか?」
「残念ながら男なのよ、言っとくけど女装が趣味なだけで心は男だから」
「そう、こいつの趣味はむかしっから女装女の恰好すんのが唯一の喜び」
「そうなんですね・・・」
「ももちゃん、学校行くときは普通に男の子してるから心配しないで」
「だから色々トラブルが多かったりすんだよ」


苦笑いを浮かべる裕希さん
トラブルってのが色々想像出来てあたしには笑う事しかできない
でもまったく知らない人ばっかりじゃなくて一人だけでも知ってるひとがいたから心強いな・・・・あたしは新しい出会いに心を躍らせていた
友達出来るといいな、男の子が多いって聞いたけどどんなだろ
あたしは無邪気に不安と期待を胸に抱えながらいよいよ初登校を迎えた


登校は自転車通学にした
まあ、歩いてもさほどの距離ではないけど自転車のほうが楽だしね
ワンピース着て行こうかと思ったけどあんまり気合を入れ過ぎてるように思われるかなって思ったからここは無難にジーンズにパーカーってラフなスタイルにした
だけど・・・・だけど・・・・
校門に近づくに連れて思ったことがある
女の子の姿が・・・・ない
ないっていうかほとんど男の子?
思わずキョロキョロ見渡すけど・・・・何か物凄く注目浴びてる
そんな中一人の女の子に目が行った
すれ違ったうつむきがちに歩く一人の女の子、声をかけようとした女の子に真っ先に眼が行った



前髪から覗いた真っ赤な瞳
色白で頬がほんのりピンク色
あたしはそんな彼女を綺麗だと思った


彼女に見とれていると背後から誰かがあたしの肩を叩いた
振り返るとにやにや笑みを浮かべる真っ赤な髪の男
パーカーにだぼだぼのジーンズを履いた男はなれなれしくもあたしの肩をふいに抱き寄せてきた

「お~見かけない顔じゃん、うわっ、可愛い!!!俺、誠ってんだ!まこっちゃんって呼んで!」
「あ、あの・・・・あたし急いでるんですけど「急いでる?なんで?まだ時間間に合うよね?あ、もしかして君今日来るって噂になってた転校生?まじか~」

え?噂になってる?
今噂になってるって言ったよね?
あたし噂になってんの?仙台に知り合いなんておばあちゃん以外にいないのになんでまた?疑問を浮かべていると誰かがふいに彼の頭をげんこつで叩いた