親父は番である母親の出現に大層喜んだ
歓喜したと言っても過言ではない
薄々住んでいるところはわかっていたようだが番である自分の女の希望を尊重した結果らしい、なにが意見を尊重だよ
息子をほっぽり出してなにやってんだ
親父は番である母親のこととなると途端に腑抜けになるから嫌なんだよ
その製造者である俺の産みの母親は何を思ったのかありえないことを言い出した
息子と二人で暮らしたい
親父は母親と二人で暮らしたかったんだろうが番である母の申し出に二つ返事で承諾
俺は育ての母である美由紀さんと別れなければならなくなった
6歳のガキの意見など通ろうはずもない
俺は美由紀さんの為にこの女と住むことを決めた
何故なら美由紀さんはこの時末期のがんで闘病中
親父は交換条件を出した
美由紀さんの療養は全力でサポートしよう
その代わり実母と一緒に暮らせ、それが条件だと・・・・
なんだそれ?ふざけんな
俺を置いて勝手に出て行ったくせに今更なんだってんだ
番である母親の願いを叶えてやりたい
親父に懇願された
だが、俺の願いも空しくそれからすぐに育ての母である美由紀さんが亡くなった
最後の最後まで俺のことを案じていたひとだった
「蓮常寺家を継ぐのが嫌ならお父様に言いなさい、悪いようにはしないはずよ」
彼女が繰り返し言っていた言葉
だけど跡継ぎは俺しかいない
竜族の家からは逃れられない、小さい頃から言われてきたせいだろうか
物心つく頃から自然と思っていた
後を継ぐのはこの俺
この家も家族も俺が守っていく
だから残された家族であるばあちゃんを全力で守ると決めていた
歓喜したと言っても過言ではない
薄々住んでいるところはわかっていたようだが番である自分の女の希望を尊重した結果らしい、なにが意見を尊重だよ
息子をほっぽり出してなにやってんだ
親父は番である母親のこととなると途端に腑抜けになるから嫌なんだよ
その製造者である俺の産みの母親は何を思ったのかありえないことを言い出した
息子と二人で暮らしたい
親父は母親と二人で暮らしたかったんだろうが番である母の申し出に二つ返事で承諾
俺は育ての母である美由紀さんと別れなければならなくなった
6歳のガキの意見など通ろうはずもない
俺は美由紀さんの為にこの女と住むことを決めた
何故なら美由紀さんはこの時末期のがんで闘病中
親父は交換条件を出した
美由紀さんの療養は全力でサポートしよう
その代わり実母と一緒に暮らせ、それが条件だと・・・・
なんだそれ?ふざけんな
俺を置いて勝手に出て行ったくせに今更なんだってんだ
番である母親の願いを叶えてやりたい
親父に懇願された
だが、俺の願いも空しくそれからすぐに育ての母である美由紀さんが亡くなった
最後の最後まで俺のことを案じていたひとだった
「蓮常寺家を継ぐのが嫌ならお父様に言いなさい、悪いようにはしないはずよ」
彼女が繰り返し言っていた言葉
だけど跡継ぎは俺しかいない
竜族の家からは逃れられない、小さい頃から言われてきたせいだろうか
物心つく頃から自然と思っていた
後を継ぐのはこの俺
この家も家族も俺が守っていく
だから残された家族であるばあちゃんを全力で守ると決めていた


