「麗華か・・・・」
「相変わらず目立ってるわよ」
「あ?目立ってねえし普通にこいつと話してただけだけど?」
「あなたが思ってるよりも大和は注目の的・・・・・そこのとこをわかっているのかしら」

「あ~うるせえな」
「なんとでも言ってもらって構わないけど今さっきあたしの耳に聞き捨てならない言葉が聞こえて来たんだけど?」
「聞き捨てならない言葉?」
「洗濯物がどうとか?」


「まるで一緒に暮らしてるみたいな言葉なんだけど」


彼女の纏うオーラが冷ややかさを増した
さっきから冷ややかだった気がするけど尚一層増したような気がするのはあたしだけじゃないはずだ

生徒会長である西条さんの瞳があたしを捉えて離さない
思わず目線をそらすと彼女はあたしに向かって問いかけてきた

「あなた・・・・確か一組だったかしら?」
「は、はい!さ・・・斎藤百花です」
「斎藤さんどういうことなのか答えてもらえるかしら」


「そ・・・それは・・・・「お前に関係ない」
「大和、だってあたしは」


そう言いかけたとき授業開始のチャイムが鳴った
大和君はあたしの頭をぽんと軽く叩くとその場を去っていった
麗華さんは小走りに彼の後をついていくとごく自然な感じで腕を絡める
大和君はそんな彼女のそぶりに嫌な感じも見せずに教室へと向かっていく
あたしの胸がちくりと痛む
見えない壁を感じて彼との距離を途方もなく遠く感じていた