まあ、毎日引っ付いていると快く思わないひとは大勢いるわけで・・・・
今日も今日で教科書がないんだけど?
この頃よく物がなくなるんだよね
この後体育の授業なのに体操着がないんだけどどうしよう
学校指定のジャージって結構お高いんだよね
まずいなあ・・・・美奈ちゃんに借りるしかないかな
考え事しながら廊下でしゃがんでいるとぽふっと誰かがあたしの頭に手を置いた


・・・・・ん?


「これ、お前のだろ」



・・・は?・・・・・・え?大和君?!


「洗濯物に混じってたお前間違って持ってったろ」


彼の一言にぴくりと肩が揺れる
爆弾発言・・・・・
瞬間そう思った、だって・・・・・だってねえ
この会話洗濯物がどうとか一緒に暮らしてないと絶対出ない言葉だし
いや、暮らしてないよ!!暮らしてないけどこの頃彼の洗濯物は一緒に洗ったりしてるから・・・・
脳内でなんて言ったらいいか考えていると彼は不機嫌そうにぽつりと呟いた


「・・・・・で、俺のジャージは?」
「あの、実は探してもなくって誰かが間違えてもってったのかな?あはは」
「んなわけねえだろ俺のジャージかなりでかいサイズだから着れるやつ限られる」


ですよねえ・・・・
いつになく怒ってらっしゃる
周りを見渡すとあたしとのやり取りをかなりの人が聞き耳立ててる
これはどうにかして納めないと・・・・


「とりあえず心当りを探し・・・・・」
「これはいったいなんの騒ぎなのかしら?もうすぐ授業が始まるわよ」


あたしの言葉を遮った人物・・・・・
生徒会長であり才媛と誉れ高い西条麗華さんが振り返るとその場に居て何処からともなく現れた、あたしと大和君を見つめる彼女・・・・き、綺麗
さらさらの長い黒髪にぱっちりお目眼
色白でノーメイクでこの美貌は奇跡としか言いようがない正統派美人
たしか読者モデルとかもやってるって噂がある
こんなに近くで見たの初めてかも・・・・
思わず見惚れるあたし
こんな綺麗な人世の中にいるんだ
でもいつになく冷ややかなオーラにぐっと唇を噛みしめた