その日の放課後。
奏さんは琥珀さんと一緒に下校してしまったので、私は一人で帰宅しました。
自宅アパートの玄関を開け、中に入ると。
またしても、私の部屋に、空き巣が入っていました。
「…」
「…あ、どうもお邪魔してます」
と、空き巣犯は言いました。
見ると空き巣犯は、先日久露花局長から届いた、バレンタインのフォンダンショコラをもぐもぐと食べていました。
空き巣を働いた上に、強盗とは。
非常に凶悪犯です。
しかし、私には欠片ほどの怒りも、不快感も湧きませんでした。
「…何をしに来たのですか、碧衣さん」
と、私は強盗犯…もとい、
碧衣さんに、そう聞きました。
「紺奈局長の言った通り、本当にあなた、重症なんですね」
と、碧衣さんは私の質問に答えず、そう言いました。
…重症?
どういう意味ですか。
「気づいてました?僕、あなたが学校を出てからずーっと、あなたの後ろをつけてたんです」
と、碧衣さんは言いました。
…なんと。
そうだったのですか。
「…全く気づきませんでした」
「ですよね。全然気づかれてないから、逆にビビりました」
「さすが、第2局のステルス機能ですね」
「はい。勿論紺奈局長の技術は素晴らしいですが、あれだけ長々と尾行しているのに気づかないのは、さすがにあなたが間抜け過ぎるからだと思います」
と、碧衣さんは言いました。
そうですか。
そうかもしれませんね。
これまでも、碧衣さんの尾行に遭遇したことはありますが。
何だかんだ、途中で気づいていましたから。
種明かしされるまで気づかないなんて、初めてです。
それだけ、碧衣さんのステルス機能がハイテクなのか。
あるいは、私の能力が劣ってしまっているのか…。
恐らくは、後者です。
奏さんは琥珀さんと一緒に下校してしまったので、私は一人で帰宅しました。
自宅アパートの玄関を開け、中に入ると。
またしても、私の部屋に、空き巣が入っていました。
「…」
「…あ、どうもお邪魔してます」
と、空き巣犯は言いました。
見ると空き巣犯は、先日久露花局長から届いた、バレンタインのフォンダンショコラをもぐもぐと食べていました。
空き巣を働いた上に、強盗とは。
非常に凶悪犯です。
しかし、私には欠片ほどの怒りも、不快感も湧きませんでした。
「…何をしに来たのですか、碧衣さん」
と、私は強盗犯…もとい、
碧衣さんに、そう聞きました。
「紺奈局長の言った通り、本当にあなた、重症なんですね」
と、碧衣さんは私の質問に答えず、そう言いました。
…重症?
どういう意味ですか。
「気づいてました?僕、あなたが学校を出てからずーっと、あなたの後ろをつけてたんです」
と、碧衣さんは言いました。
…なんと。
そうだったのですか。
「…全く気づきませんでした」
「ですよね。全然気づかれてないから、逆にビビりました」
「さすが、第2局のステルス機能ですね」
「はい。勿論紺奈局長の技術は素晴らしいですが、あれだけ長々と尾行しているのに気づかないのは、さすがにあなたが間抜け過ぎるからだと思います」
と、碧衣さんは言いました。
そうですか。
そうかもしれませんね。
これまでも、碧衣さんの尾行に遭遇したことはありますが。
何だかんだ、途中で気づいていましたから。
種明かしされるまで気づかないなんて、初めてです。
それだけ、碧衣さんのステルス機能がハイテクなのか。
あるいは、私の能力が劣ってしまっているのか…。
恐らくは、後者です。


