「そうなのですか。それはつまらなくなりますね」
と、琥珀さんは言いました。
案外琥珀さんは、あっさりしたものでした。
「短い付き合いでしたが、お世話になりました」
「うん…こちらこそ」
「落ち着いたら、また連絡をくださいね。チーズケーキでも送ります」
「それは心強いね…ありがとう」
と、奏さんは言いました。
琥珀さんは、さしてダメージを受けているようには見えません。
あっけらかんとしていますね。
実際、まだ奏さんと過ごした時間の短い、琥珀さんにとっては。
彼がいなくなったとしても、そこまで大きなダメージにはならないのでしょう。
充分、修復可能なダメージなのです。
…私と違って。
「お元気でお過ごしくださいね。転校先でも」
「うん。ありがとう、琥珀さん」
と、奏さんは答えました。
私も、琥珀さんのように言えたらどれほど楽か。
琥珀さんは立派です。
快く友人を送り出すという、友達として当然のことを、当たり前のように出来ています。
私より、『人間交流プログラム』に参加した時期は短いのに。
どうして私は、琥珀さんのように出来ないのでしょう。
さようなら奏さん、お元気で、と。
何故、そう言えないのでしょう。
そう言いたくないのです。どうしても。
親友の為に…後悔のないように…選択しなければならないのに。
いつまでも私には、それが出来ないのです。
と、琥珀さんは言いました。
案外琥珀さんは、あっさりしたものでした。
「短い付き合いでしたが、お世話になりました」
「うん…こちらこそ」
「落ち着いたら、また連絡をくださいね。チーズケーキでも送ります」
「それは心強いね…ありがとう」
と、奏さんは言いました。
琥珀さんは、さしてダメージを受けているようには見えません。
あっけらかんとしていますね。
実際、まだ奏さんと過ごした時間の短い、琥珀さんにとっては。
彼がいなくなったとしても、そこまで大きなダメージにはならないのでしょう。
充分、修復可能なダメージなのです。
…私と違って。
「お元気でお過ごしくださいね。転校先でも」
「うん。ありがとう、琥珀さん」
と、奏さんは答えました。
私も、琥珀さんのように言えたらどれほど楽か。
琥珀さんは立派です。
快く友人を送り出すという、友達として当然のことを、当たり前のように出来ています。
私より、『人間交流プログラム』に参加した時期は短いのに。
どうして私は、琥珀さんのように出来ないのでしょう。
さようなら奏さん、お元気で、と。
何故、そう言えないのでしょう。
そう言いたくないのです。どうしても。
親友の為に…後悔のないように…選択しなければならないのに。
いつまでも私には、それが出来ないのです。


