自分の、感情に…素直に、ですか。
人間の感情を学ぶのは、とても難しいことですが。
感情に素直になれ、というのも…とても難しいですね。
「…難しいです」
『そうかもね。でも、難しく考えることはない。単純なことだよ』
と、久露花局長は言いました。
『君の心に、浮かんだことを言えば良い。それだけだよ』
「…」
と、私は無言になりました。
私には心が…。
心が…ありませんから。
胸のうちに浮かぶものなんて、何も…。
…。
…本当に?
私はずっと、思っていることがあるのではないのですか?
あの晩、奏さんの施設に空き巣に入って、奏さんが抱えている事情を知ったときから。
『悲しい思いをするのは仕方がない。寂しいのも仕方ない。でも…後悔だけはしないでいよう?』
「…」
『心の傷は、いつか癒える。でも後悔だけは、そうは行かない。いつでも思い出す度、傷口が開く。だから後悔だけはしないで。自分の心に…素直でいて』
と、久露花局長は言いました。
…分かりました。
「…はい。善処します」
『…うん、頑張って、瑠璃華ちゃん』
と、久露花局長は言いました。
私なりに。
後悔しないように、今出来ることをします。
人間の感情を学ぶのは、とても難しいことですが。
感情に素直になれ、というのも…とても難しいですね。
「…難しいです」
『そうかもね。でも、難しく考えることはない。単純なことだよ』
と、久露花局長は言いました。
『君の心に、浮かんだことを言えば良い。それだけだよ』
「…」
と、私は無言になりました。
私には心が…。
心が…ありませんから。
胸のうちに浮かぶものなんて、何も…。
…。
…本当に?
私はずっと、思っていることがあるのではないのですか?
あの晩、奏さんの施設に空き巣に入って、奏さんが抱えている事情を知ったときから。
『悲しい思いをするのは仕方がない。寂しいのも仕方ない。でも…後悔だけはしないでいよう?』
「…」
『心の傷は、いつか癒える。でも後悔だけは、そうは行かない。いつでも思い出す度、傷口が開く。だから後悔だけはしないで。自分の心に…素直でいて』
と、久露花局長は言いました。
…分かりました。
「…はい。善処します」
『…うん、頑張って、瑠璃華ちゃん』
と、久露花局長は言いました。
私なりに。
後悔しないように、今出来ることをします。


