『どうしたの瑠璃華ちゃん?そんなぼんやりして』
と、久露花局長は心配そうに聞きました。
…ちょっと驚きました。
何故か、目を覚ましてみると、久露花局長がまともなことを言っています。
この時期は、バレンタインのことしか喋らないのかと思っていましたが。
まともになろうと思えば、一応なれるのですね。
それは初めて知りました。
で、それはともかく…私に何かあったのか、でしたね。
「何もありません」
と、私は答えました。
別に強がっている訳ではありません。
何かあったのは、私ではありません。奏さんです。
『え、いや、でも…じゃあ何でスリープモードに入るの?何か、身体に不調があるの?』
と、久露花局長は尋ねました。
身体に不調…ですか。身体に不調はありません。
でも、身体ではない部分に、不調はあります。
「何もありません」
『じゃあ、何で…。今まで一度も…。…もしかして、奏君と何かあったの?』
と、久露花局長は聞きました。
さすが局長。鋭いですね。
常にチョコレートのことしか考えていないように見えますが、こういうときは鋭い方です。
「…はい。あと一学期の付き合いになりましたので、悔いなく過ごそうと思っています」
と、私は言いました。
口にしてみて、実感しました。
あと一学期の付き合い。そうなのですね。
しかし、これは仕方のないことです。
『一学期って…あ、そうかクラス替えだね?学年が変わったら、クラス替えがあるから…』
と、久露花局長は言いました。
何やら、誤解していらっしゃるようですね。
『でも、大丈夫だよ。そんなに落ち込まなくても。クラスが替わったって、同じ学校にいることには変わりないんだから、また一緒に…』
「違います。学校が変わるのです。奏さんは転校されるのです」
『えぇぇ!?』
と、久露花局長は愕然として、二の句が継げずにいました。
私はそこに、畳み掛けるように言いました。
「奏さんは、親切な叔母夫婦の家庭に引き取られ、引っ越して、転校して、星屑学園からいなくなるそうです」
『そ…そんな…』
「ですから、あと一学期の付き合いなのです」
と、私は言いました。
クラス替え、どころの騒ぎではありません。
クラス替えくらいで、私はスリープモードに入ったりしません。
『そんな…どうして、そんないきなり…』
「長らく海外にいた叔母夫婦が、この度数年ぶりに帰国されたそうです」
『だ、だからって…また急展開だな…』
と、久露花局長は言いました。
そういうものです。
人生、いつ何時、何が起こるかは分からないものです。
それはアンドロイドでも同じこと。
運命が、何かしらの予告をして来てくれるなら、どれほど有り難いか。
『…成程、瑠璃華ちゃんがそんなに…落ち込んでる理由が分かった』
と、久露花局長は言いました。
と、久露花局長は心配そうに聞きました。
…ちょっと驚きました。
何故か、目を覚ましてみると、久露花局長がまともなことを言っています。
この時期は、バレンタインのことしか喋らないのかと思っていましたが。
まともになろうと思えば、一応なれるのですね。
それは初めて知りました。
で、それはともかく…私に何かあったのか、でしたね。
「何もありません」
と、私は答えました。
別に強がっている訳ではありません。
何かあったのは、私ではありません。奏さんです。
『え、いや、でも…じゃあ何でスリープモードに入るの?何か、身体に不調があるの?』
と、久露花局長は尋ねました。
身体に不調…ですか。身体に不調はありません。
でも、身体ではない部分に、不調はあります。
「何もありません」
『じゃあ、何で…。今まで一度も…。…もしかして、奏君と何かあったの?』
と、久露花局長は聞きました。
さすが局長。鋭いですね。
常にチョコレートのことしか考えていないように見えますが、こういうときは鋭い方です。
「…はい。あと一学期の付き合いになりましたので、悔いなく過ごそうと思っています」
と、私は言いました。
口にしてみて、実感しました。
あと一学期の付き合い。そうなのですね。
しかし、これは仕方のないことです。
『一学期って…あ、そうかクラス替えだね?学年が変わったら、クラス替えがあるから…』
と、久露花局長は言いました。
何やら、誤解していらっしゃるようですね。
『でも、大丈夫だよ。そんなに落ち込まなくても。クラスが替わったって、同じ学校にいることには変わりないんだから、また一緒に…』
「違います。学校が変わるのです。奏さんは転校されるのです」
『えぇぇ!?』
と、久露花局長は愕然として、二の句が継げずにいました。
私はそこに、畳み掛けるように言いました。
「奏さんは、親切な叔母夫婦の家庭に引き取られ、引っ越して、転校して、星屑学園からいなくなるそうです」
『そ…そんな…』
「ですから、あと一学期の付き合いなのです」
と、私は言いました。
クラス替え、どころの騒ぎではありません。
クラス替えくらいで、私はスリープモードに入ったりしません。
『そんな…どうして、そんないきなり…』
「長らく海外にいた叔母夫婦が、この度数年ぶりに帰国されたそうです」
『だ、だからって…また急展開だな…』
と、久露花局長は言いました。
そういうものです。
人生、いつ何時、何が起こるかは分からないものです。
それはアンドロイドでも同じこと。
運命が、何かしらの予告をして来てくれるなら、どれほど有り難いか。
『…成程、瑠璃華ちゃんがそんなに…落ち込んでる理由が分かった』
と、久露花局長は言いました。


