アンドロイド・ニューワールドⅡ

その後。

急遽、その場にいなかった朝比奈副局長まで呼んできて。

何だか、物々しい雰囲気で話し合いが始まりました。

『一体どうしたの瑠璃華ちゃん。やっぱり様子が変だよ』
 
と、久露花局長は言いました。

何事もなかった、で押し通そうとしたのですが。

余計なことを口走ったが為に、このようなことに。

口は災いの元とは、よく言ったものです。

『何があったの?』

「何もありません」

『奏君と何かあった?』

「何もありません」

『じゃあやっぱり…琥珀ちゃんのこと?』

「ちっ」

『琥珀ちゃんのことなんだね!?』

と、久露花局長は言いました。

何故分かったのでしょう。エスパーですか。

『琥珀ちゃんと…仲良くしてると思ったんだけどな。そんなことはなかったのか…』

と、局長は言いました。

そうですね。仲良くはないですね。

そして今のところ、仲良くするつもりもありません。

それはお互い様だとは思いますが。

『よし、分かった。まずは事情を聞こう。私は瑠璃華ちゃんの保護者として、事情を聞く権利がある』

と、久露花局長は言いました。

…そうですね。

『琥珀ちゃんの転入初日から今日まで、瑠璃華ちゃんとの間に何があったのか、聞かせてもらえる?』

と、局長は聞きました。

「私と琥珀さんの間では、特に何もありません」

と、私は答えました。

『いや、そんなことはないでしょ。内緒にしたいのは分かるけど、ちゃんと話して?瑠璃華ちゃんがこんな、不機嫌になるなんて初めて、』

「私との間には何もありませんが、しかし奏さんとの間で、色々とありました」

『…あ、成程』

と、局長は言いました。

こうなってしまったからには、最早隠していても仕方がありませんので。

洗いざらい、話すとしましょう。

転入初日から、琥珀さんと奏さんの間に、何があったか。

それを見ていた私が、どのような胸の内であったかも。