アンドロイド・ニューワールドⅡ

琥珀さんが姿を消すと。

ずっと敵意剥き出しだった碧衣さんが、ようやく落ち着きを取り戻しました。

「…全く。ろくでもないアンドロイドが来たものですよ」

と、碧衣さんは吐き捨てるように言いました。

珍しいですね。碧衣さんがこのように不機嫌なのは。

『新世界アンドロイド』が不機嫌であるということ自体が、とても珍しいのですが。

紺奈局長を遠回しに侮辱されたことが、余程尾を引いていると思われます。

「彼女は、元々負けず嫌いですからね」

「負けず嫌いなのと、礼儀知らずなのは違うでしょう」

と、碧衣さんは言いました。

良いことを言いましたね。

「あんなのと同じ学校だなんて。同情しますよ」

と、碧衣さんは言いました。

本当に、余程琥珀さんを目の敵にしているようです。

あんなの呼ばわりとは。

「大丈夫です。負けず嫌いなだけで、根は悪い人、いえ、悪いアンドロイドではないでしょうから。私達は『人間交流プログラム』の先輩として、広い…心…は持っていませんが、懐を広く持ちましょう」

と、私は言いました。

しかし。

「そう上手く行けば良いですけどね。あの性格じゃ、こちらが思いもよらない行動をしてもおかしくないですよ」

と、碧衣さんは言いました。

そして、この後彼の言う通りの事態になるとは。

このときの私は、まだ知りませんでした。