今日ほど、疲れ知らずのアンドロイドの身体で良かったと思った日はありません。
人間だったら、恐らく途中で、疲労のあまり手が止まっていたでしょうね。
アンドロイドであったからこそ、疲れることはなく、手を止めずに生クリームを泡立てることが出来ました。
さらさらの液体だった生クリームが、もったりとした固形に変わっているのを見ると。
何だか、一仕事やり終えた気がしますね。
「湯野さん、こちらは生クリームが仕上がりました。そちらはどうですか?」
と、私は尋ねました。
「え?あー、うん。小麦粉混ぜたところ」
と、湯野さんは答えました。
てっきり、あとは焼くだけ、の状態になったのかも思いきや。
たった今、生地に小麦粉を混ぜたばかりです。
しかも、彼女は一度にドサッ、と小麦粉を混ぜてしまっています。
何度かに分けて、少しずつ馴染ませなければならない、とレシピをには書いてあったはずですが。
「3回に分けて入れる、と書いてありませんでしたか?」
「良いじゃん、そんな細かいこと。どうせ全部入れるんだから、一度に入れても後で入れても一緒でしょ?」
と、湯野さんは言いました。
手間のかかるレシピを、自らゴリ押しした割には。
あなた自身は、レシピを無視、あるいは簡略化するのですね。
本格的に作りたかったのか、楽をして作りたかったのか、どちらかハッキリして欲しいものです。
「焼き時間にも、トッピングにも時間がかかります。小麦粉を入れたなら、手早く混ぜてください」
「はいはい、うるさいなぁ。ゆっくりやれば良いのに」
と、湯野さんは面倒臭そうに、チンタラとゴムベラでボウルの中身を混ぜていました。
まるで、スローモーションのような動きです。
そして、彼女が焦ることなく、ゆっくりのんびりと生地を混ぜていたせいで。
この後、ハンドミキサーを他グループに取られてしまった…どころではない、タイムロスを生むことになります。
と、言うのも。
「…オーブンが、空いていません」
と、私は生地を流し込んだ型を持って、ポツリと呟きました。
これは、完全に誤算でした。
人間だったら、恐らく途中で、疲労のあまり手が止まっていたでしょうね。
アンドロイドであったからこそ、疲れることはなく、手を止めずに生クリームを泡立てることが出来ました。
さらさらの液体だった生クリームが、もったりとした固形に変わっているのを見ると。
何だか、一仕事やり終えた気がしますね。
「湯野さん、こちらは生クリームが仕上がりました。そちらはどうですか?」
と、私は尋ねました。
「え?あー、うん。小麦粉混ぜたところ」
と、湯野さんは答えました。
てっきり、あとは焼くだけ、の状態になったのかも思いきや。
たった今、生地に小麦粉を混ぜたばかりです。
しかも、彼女は一度にドサッ、と小麦粉を混ぜてしまっています。
何度かに分けて、少しずつ馴染ませなければならない、とレシピをには書いてあったはずですが。
「3回に分けて入れる、と書いてありませんでしたか?」
「良いじゃん、そんな細かいこと。どうせ全部入れるんだから、一度に入れても後で入れても一緒でしょ?」
と、湯野さんは言いました。
手間のかかるレシピを、自らゴリ押しした割には。
あなた自身は、レシピを無視、あるいは簡略化するのですね。
本格的に作りたかったのか、楽をして作りたかったのか、どちらかハッキリして欲しいものです。
「焼き時間にも、トッピングにも時間がかかります。小麦粉を入れたなら、手早く混ぜてください」
「はいはい、うるさいなぁ。ゆっくりやれば良いのに」
と、湯野さんは面倒臭そうに、チンタラとゴムベラでボウルの中身を混ぜていました。
まるで、スローモーションのような動きです。
そして、彼女が焦ることなく、ゆっくりのんびりと生地を混ぜていたせいで。
この後、ハンドミキサーを他グループに取られてしまった…どころではない、タイムロスを生むことになります。
と、言うのも。
「…オーブンが、空いていません」
と、私は生地を流し込んだ型を持って、ポツリと呟きました。
これは、完全に誤算でした。


