学校につき、昇降口で靴を履き替え、教室に向かった。
僕のクラスである、2-3の教室を目指す。
この学校は入学から卒業までクラス替えは行われない。
それゆえに、クラス内での立ち位置はかなり重要である。
僕はクラスでは目立たないようにと、人には優しくすることを心がけている。
クラス内では平凡な位置をキープしているつもりだ。
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教室に入り、僕は自分の席に着いた。
僕の席はクラスの一番後ろ。窓側から二番目の席だ。
となりには誰も座っていない空席が一つある。
久しぶりの学校なのかわからないが、どこか寂しさを感じていた。
ホームルームまでは、あと5分弱となっていた。
ボーっとしていると、一人の男子が近づいてきて声をかけてきた。
「おい、修太朗。金貸してくれよ。昨日頼んだだろ」
威圧的な態度と声量で脅しをかけてきた。
この男子は嫌がらせでたびたび話題に上がる和樹だ。
「お金なんて持ってきてないよ。家が近いから電車代とかでも使わないし…」
僕はおどおどしながら答えるしかなかった。
「なんでだよ。持ってくるって言ってたのに。ふざけんなよ!」
強い口調で怒鳴られた。僕が悪かったのだろうか。
「ごめん…」
そう答えると振り返り、和樹は自分の席に戻っていった。
お金を渡す約束か…そんな約束をした記憶はない。
僕はいじめが嫌いだ。
人がいじめを受けているのも、いじめている姿も見ていて気分が悪い。
おそらくほとんどの人が僕と同じ考えだろう。
僕はこのクラスのいじめの標的になったらしい。
僕が学校で過ごした記憶が正しければ、これまで僕に対してのいじめはなかった。
犯罪のうわさからだろうか…
そんなことを考えているうちに、一人の大人が教室に入ってきた。
「よーし、出席をとるぞー」
その一言から担任の藤田先生が、出席確認をとるために声を出し続ける。
あれ…和樹のやつ、昨日約束したって言っていた…
着々と出席確認が行われる中、昨日のことが聞けるかもという期待が僕を支配する。
ただ和樹は僕が人を殺したということを知っている様子はなかった。
うまく隠していただけなのだろうか。
この自然に刷り込まれた、僕の殺人の記憶は一体誰が知っていて、誰が知らないのか。
とにかくまずは学校でも情報を集めてみようと思い、僕は席から立ちあがった。
気づいたときには出席の確認も終わっていたようだ。
僕のクラスである、2-3の教室を目指す。
この学校は入学から卒業までクラス替えは行われない。
それゆえに、クラス内での立ち位置はかなり重要である。
僕はクラスでは目立たないようにと、人には優しくすることを心がけている。
クラス内では平凡な位置をキープしているつもりだ。
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教室に入り、僕は自分の席に着いた。
僕の席はクラスの一番後ろ。窓側から二番目の席だ。
となりには誰も座っていない空席が一つある。
久しぶりの学校なのかわからないが、どこか寂しさを感じていた。
ホームルームまでは、あと5分弱となっていた。
ボーっとしていると、一人の男子が近づいてきて声をかけてきた。
「おい、修太朗。金貸してくれよ。昨日頼んだだろ」
威圧的な態度と声量で脅しをかけてきた。
この男子は嫌がらせでたびたび話題に上がる和樹だ。
「お金なんて持ってきてないよ。家が近いから電車代とかでも使わないし…」
僕はおどおどしながら答えるしかなかった。
「なんでだよ。持ってくるって言ってたのに。ふざけんなよ!」
強い口調で怒鳴られた。僕が悪かったのだろうか。
「ごめん…」
そう答えると振り返り、和樹は自分の席に戻っていった。
お金を渡す約束か…そんな約束をした記憶はない。
僕はいじめが嫌いだ。
人がいじめを受けているのも、いじめている姿も見ていて気分が悪い。
おそらくほとんどの人が僕と同じ考えだろう。
僕はこのクラスのいじめの標的になったらしい。
僕が学校で過ごした記憶が正しければ、これまで僕に対してのいじめはなかった。
犯罪のうわさからだろうか…
そんなことを考えているうちに、一人の大人が教室に入ってきた。
「よーし、出席をとるぞー」
その一言から担任の藤田先生が、出席確認をとるために声を出し続ける。
あれ…和樹のやつ、昨日約束したって言っていた…
着々と出席確認が行われる中、昨日のことが聞けるかもという期待が僕を支配する。
ただ和樹は僕が人を殺したということを知っている様子はなかった。
うまく隠していただけなのだろうか。
この自然に刷り込まれた、僕の殺人の記憶は一体誰が知っていて、誰が知らないのか。
とにかくまずは学校でも情報を集めてみようと思い、僕は席から立ちあがった。
気づいたときには出席の確認も終わっていたようだ。
