三人で走って教室に駆け込む。
こんな風に時間に追われるのは、学校生活の醍醐味とも言えるだろう。
叶は生きているときにはできたのだろうか。
そんなことを考えながら自分の席に戻り、僕の椅子と叶の椅子を引いた。
「ありがとう。修ちゃん」
叶からは、優しさが込められた言葉が伝わってくる。
「楽しんで」
僕は小さい声で叶に伝えて、授業用のノートと筆談用のノートを準備した。
しばらくすると理科の先生が教室に入ってきた。
理科は藤田先生が担当のようだ。
僕の記憶では、国語の先生だったはずだけれど…
「よーし、授業するぞ~」
叶がどれだけ学校に来たいと思うかわからないから、知っている人だと少しリラックスできそうでいいかもしれない。
「音楽の代わりになった理科の授業は私が見るぞ~」
いつものようにゆるく始まる授業。
「楽しみだな~」
周りには聞こえていないが、叶は少し静かに声を出した。
「早速はじめるんだが、僕は理科は専門じゃないので期待しないように」
それは授業していいのだろうか。
僕は疑問を感じつつ、叶の方に目線を送る。
いつもよりも楽しそうな表情をしていた。
「今日の範囲は復習がメインかな。とりあえず天体をするか」
その言葉の後、藤田先生によって月や太陽といった天体の授業が行われた。
先生の授業は専門範囲なのではと疑うほどに、面白くわかりやすいものだった。
「こんなもんにしとくか。あとは休憩とか帰る準備とかにしよう」
あっという間に授業は終わった。
叶のことを気にしながら授業をうけなければいけないと思っていたが、僕自身かなり授業に没頭してしまい気にすることができなかった。
「楽しかった~修ちゃんは授業に集中してたね」
「ごめんな、想像以上に面白くて…叶はどうだった?」
「私もすごく楽しかった!」
申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、叶が楽しめたならよかった。
僕は小さい声で叶と話しながら帰る準備を進めた。
「すまない、名簿を忘れたから職員室に取りに行ってくる」
先生はそう言い残して教室から飛び出していった。
「今日はもう終わりか~明日も来ていい?」
叶は学校を楽しんでくれていたようでよかった。
「もちろん。明日も一緒に来よう」
しばらくすると先生が職員室から戻ってきた。
「よし帰りのホームルームをするぞ。連絡事項特になし。修太朗君は朝の件できるだけ早めに報告するように。早退者や体調不良の人いるか……以上で終了!また明日」
相変わらず適当なホームルームが終わり、生徒たちは帰り始めた。
視線が気になり、その方向を見ると和樹が僕を睨んでいた。
僕はとっさに顔を背けて、リュックを背負う。
「帰るよ、叶」
呼びかけるとうきうきとした声で頷いて、叶は僕の横に来た。
二人で教室を出ると、美月が後ろから走ってきた。
「ちょっと置いていかないでよ。"あれ"買いに行くんでしょ!」
「あれって何?」
不思議そうな顔をする叶の顔を見て、僕はただ喜んでくれればいいなと思った。
こんな風に時間に追われるのは、学校生活の醍醐味とも言えるだろう。
叶は生きているときにはできたのだろうか。
そんなことを考えながら自分の席に戻り、僕の椅子と叶の椅子を引いた。
「ありがとう。修ちゃん」
叶からは、優しさが込められた言葉が伝わってくる。
「楽しんで」
僕は小さい声で叶に伝えて、授業用のノートと筆談用のノートを準備した。
しばらくすると理科の先生が教室に入ってきた。
理科は藤田先生が担当のようだ。
僕の記憶では、国語の先生だったはずだけれど…
「よーし、授業するぞ~」
叶がどれだけ学校に来たいと思うかわからないから、知っている人だと少しリラックスできそうでいいかもしれない。
「音楽の代わりになった理科の授業は私が見るぞ~」
いつものようにゆるく始まる授業。
「楽しみだな~」
周りには聞こえていないが、叶は少し静かに声を出した。
「早速はじめるんだが、僕は理科は専門じゃないので期待しないように」
それは授業していいのだろうか。
僕は疑問を感じつつ、叶の方に目線を送る。
いつもよりも楽しそうな表情をしていた。
「今日の範囲は復習がメインかな。とりあえず天体をするか」
その言葉の後、藤田先生によって月や太陽といった天体の授業が行われた。
先生の授業は専門範囲なのではと疑うほどに、面白くわかりやすいものだった。
「こんなもんにしとくか。あとは休憩とか帰る準備とかにしよう」
あっという間に授業は終わった。
叶のことを気にしながら授業をうけなければいけないと思っていたが、僕自身かなり授業に没頭してしまい気にすることができなかった。
「楽しかった~修ちゃんは授業に集中してたね」
「ごめんな、想像以上に面白くて…叶はどうだった?」
「私もすごく楽しかった!」
申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、叶が楽しめたならよかった。
僕は小さい声で叶と話しながら帰る準備を進めた。
「すまない、名簿を忘れたから職員室に取りに行ってくる」
先生はそう言い残して教室から飛び出していった。
「今日はもう終わりか~明日も来ていい?」
叶は学校を楽しんでくれていたようでよかった。
「もちろん。明日も一緒に来よう」
しばらくすると先生が職員室から戻ってきた。
「よし帰りのホームルームをするぞ。連絡事項特になし。修太朗君は朝の件できるだけ早めに報告するように。早退者や体調不良の人いるか……以上で終了!また明日」
相変わらず適当なホームルームが終わり、生徒たちは帰り始めた。
視線が気になり、その方向を見ると和樹が僕を睨んでいた。
僕はとっさに顔を背けて、リュックを背負う。
「帰るよ、叶」
呼びかけるとうきうきとした声で頷いて、叶は僕の横に来た。
二人で教室を出ると、美月が後ろから走ってきた。
「ちょっと置いていかないでよ。"あれ"買いに行くんでしょ!」
「あれって何?」
不思議そうな顔をする叶の顔を見て、僕はただ喜んでくれればいいなと思った。