普通の人は、血のにじむような努力をしてやっとやり遂げられる事なのに、私はその努力を1つもせずに終わってしまう。全く自慢ではない。

努力したからこその喜びを、私は1度も体験したことがなかった。

羨ましくもあり、妬みでもあった。

大人もよく言う。「手がかかる子ほど可愛い」と。

つまり、私は外見が可愛くても守ってあげたい存在にはなり得ない。

上辺だけ、私と仲良くしておけば良い扱いをされるから、自分の地位を高めることができるから。私は何度もその言葉を聞いた。私が親友だと思っている人に限ってそう言うのだ。

いつも、私は一方通行。誰かとすれ違うことも、通りすがることもない道を独りで歩いていただけだった。