窓から外を眺める。
世界が終わり光は半分に減った。
車のヘッドライトに照らされる町並み。
途切れることなく交差するさまざまな色をした人間が見える。
白と黒が交われば灰色になる事などわかっていたのに。

雨粒が世界を歪んで見せた。
いや、もしかしたら歪んだ世界を見せないようにしていたのかもしれない。

今日も誰かが喧嘩をしていた。
血走った人間の目は死ぬまで忘れられないだろう。
誰もが持つ人間のいやらしい部分を見た気分になる。
仲がよかった友達が死んだ時の胸が詰まる感じがした。