これはきっと、恋じゃない。



 なんのこと、と思って振り返ると、問いかけて来た王子くんも、少し驚いたような表情をしていた。

「えっと、なにを?」
「あ、ああ……ほら、休んでた理由とか」
「……聞いた方がよかった?」

 佐藤先生は仕事だって言ってたし、そんなものかと思ってた。ちがうのかな。

「いや、そうじゃないけど……ほら、みんなはアイドルとしての俺も興味ありそうだけど、逢沢さん全然だから」
「もっと興味持てよ的な?」
「……そうだね」

 言われてみればそうかもしれない。

 アイドルとしての王子くんに、全く興味がないというわけでもない。でももともとそういうのに疎いし、あまり騒ぐようなことでもないような気がして、特になにも思わなかった。

 うーん、と唸ってみてから、じゃあと一呼吸置く。

「なんで休んでたの?」

 王子くんは、ふふっと笑うと、わたしの目をしっかり見て言った。

「仕事」
「……知ってた」

 まあ、そう先生言ってたし。
 ……でもそうか、やっぱり仕事なのか。

 先生から聞くのとは違う、直接王子くんの口から聞くと、また少しだけ落ち込みそうになる。同じ制服を着て同じ学校にいても、やっぱりちがうんだと痛感させられる。