一途な令嬢は恋をする

「おはよう」

「お父様、おはようございます」

「エリー・・・・・・」

「大丈夫。いつも通りやるから」

「・・・・・・・・・・・・」

お父様が言いたいことは分かる。
もう何度も同じことを聞いたから。

今日のお相手はフェルティア・ミエラルト様、子爵家の三男だ。
つまり、今日のお見合いはチャンスなのよね。

貴族が位を上がるにはウチであれば子爵以上。自分の家よりも上の位の貴族に認めてもらう必要がある。
だけど、それは簡単なことではない。なぜなら貴族の数は位によって決まっているから。
エールランド家がのし上がることに成功したということは脱落した貴族がいるということ。
そういう難しい世界なの。

ミエラルト様と私が婚姻関係になればフェルティア家という子爵に認められることに繋がる。そして、それはエールランド家が子爵へのし上がる足掛かりになる。
だから、お父様は私を出来るだけ上の位の子息と繋げたいみたい。

それは分かるよ。理解もできる。
でもダメなの。

私にはもう心に決めた人がいるから・・・・・・。

「今日も冷酷令嬢を演じるわ」

「いや、でもなぁ・・・・・・。あ、そうだ! ミエラルト様はピアノも好きみたいだぞ。もしかしたらエリーと気が合うかもしれないかも!」

「お父様!! 昔から言ってるでしょ」

「・・・・・・うむ・・・・・・」

お父様はこれ以上は何も言わなかった。
私もお母様も、この場にいる全員が静かにコツコツと朝食を食べる音だけがこの広い居間に小さく響く。