ウチは小さな田舎貴族、エールランド・ラザトルテ家。
私はそこの次女、エールランド・リザリッテとして生まれた。

貴族っていうのは良いよね。
何でもしたいことを好きな時にする事ができる。
私がここまで多趣味になったのも、女性は色々なことを学んでおくべきだとお母様に耳が痛くなるほど言われ続けた結果だ。
本当、最高ね。

そんなウチは貴族と言っても1番下の男爵。

貴族の位は上から順に大公爵、公爵、辺境伯、伯爵、子爵、そして男爵。
同じ貴族と言っても色々な位があるのよね。
大体ウチみたいな男爵は田舎を任されていて、位が上がる事に王国に近づいていくってわけ。
まぁ簡単に言えば男爵はパンの耳ってところかしら。

そんなパンの耳も成長する事が実はできる。それが、上の位の貴族との婚姻。
そう、今日のお見合いに繋がるってわけ。