普段はこんないい加減な人なのに大学にはきっちり受かっちゃうんだから、ほんと嫌な人だ。
「なに1人で楽しそうに百面相してんのー?俺は今すっごく面倒なことを片付けてるのにー」
肘をついてこちらを見る彼はむすーとしている。
「楽しそうにって……」
文句言いたげにくるくるシャーペンを回す葵くんと、某有名大学に受かっちゃう葵くんが結びつかないんだけど。
なんて言っても、本人答えられるわけないか。
「……そういえば、葵くんは何か提出物があるたびこんなことばっかしてたっけ」
「んー?うちの面倒見のいい委員長さまは出来の悪い俺を助けてくださるんですよー。ほんとありがたやありがたやー」
仏を敬うようなのりで手を重ねるから可笑しくて笑ってしまう。
