「……それにしても、伊坂も物好きだよねぇー」 ぐりぐり面倒そうに作文用紙にシャーペンを走らせながら、そう口を尖らせている。 「どういうこと?」 「だって、俺ひとりの提出物とか伊坂が手伝わなくてもいいでしょー。委員長だからって引き受けすぎー」 こんの、誰がそれを言う……!! と思うものの心のうちに秘めておく。 語尾の伸びる独特なしゃべり方が少し私を馬鹿にしているようで顔を一発殴りたくなるけどどうにか押さえる。 卒業前に暴行事件を起こしましたなんてしゃれにならないからね。