瑠璃色の瞳に映る花火


彼女はぱちくりと瞬きをした後、さも可笑しそうな目で「何、なんぱ?」と答えた。


「ナンパじゃない。ちゃんと答えて」


俺は彼女のことを知らない。

今年の4月に転入してきた生徒で遠い国からやって来た外国人とまでしか知らない。


だけど、彼女は俺のことを知っていた。

初めて会った時、まだ名乗ってもいない俺の名前を呼んだんだ。

『洋太くん』って。

紫みを帯びた深い青色の瞳が細められる。


「さあ、どうだろうね」


彼女がこちらに振り向いた拍子に長い髪がふわっとなびいた。

そして目の前まで来て、真っ直ぐに俺を見上げて。


「はなびたいかい、一緒に行ってほしい」


ゆっくりと腕を上げて、小指を俺の前に差し出した。


「はなび、私と見よ」


首をこてんと傾げて言う彼女に俺は「わかった」と頷いて、彼女の小指を絡めた。



「約束だよ」



彼女は嬉しそうににこっと笑った。