「ルアさんは夢あんの?」
そう聞くと彼女はこちらに振り向かず、掲示板に指を指した。
「夜空に咲く大きなお花が見たい」
彼女の指先に視線を辿ると、『花火大会』と大きく書かれたチラシが目に入った。
「…花火が見たいの?」
彼女は寂しそうに笑って頷いた。
「そっかそっか。"はなび"って読むんだ。やっぱ日本語は難しいね」
彼女の笑った表情にどこか違和感を抱く。
「そうなの。私、はなびが見たいの。もう一度この目に焼き付けてから───」
「ルアさん」
何故か最後まで聞きたくなくて、彼女の言葉を遮ってしまう。
「…俺たちってさ、昔どこかで会ったことある?」


