そして気がつけば大学1年生の夏休み。
今日はバイトを入れていなかったのに、母に叩き起こされ、男1人で海に立ち寄る変な奴とは俺のことだ。
どうして1人海にやって来たのか、自分でもよくわかっていない。
わかってはいないが、どこか懐かしいと思えたんだ。
以前の時とは頭に靄がかかっていなかった。
…そうだ、女の子。
昔、ここで女の子と花火を見たんだっけ。
そういえば名前何だったかな。
顔はなんとなくはっきりしてきているのに、思い出せない。
スマホの画面を確認すると、8月1日と表示されている。
この間まで高校2年生だったのに、気づけばもう2年も経っている。
…もう8月なのか。
潮の匂いが鼻をかすめ、ぼんやりと海を眺めていた時だった───。
「洋太くん?」
どこか聞き覚えのある声に名前を呼ばれる。


