瑠璃色の瞳に映る花火



「っ…!」


驚いた拍子にバランスを崩して、2人で海の中へと落っこちた。

どぼんっ…と、飛沫を立てる音が聞こえた。


目を開けると彼女は柔らかく笑って両手で頬を包み込んだ。


…あれ、俺、これ知ってる。

昔もこんな感じで海に落ちたことがある。

10年前、女の子と一緒に打ち上げ花火を見て、

『すごいね、きれいだね』

なんて笑い合って夜空を見上げていた時に俺は足を滑らして海の中へと落ちて…。

溺れかけたんだ。


そして誰かが俺の腕を掴んで引き上げてくれた。

ライトブルーの髪に瑠璃色の瞳、ターコイズブルーの尾鰭。


そう、今愛しそうな表情で微笑んでいる彼女とそっくり。

───いや、違う。同一人物だ。

頭に靄がかかっていたのが徐々になくなっていって、10年前の彼女の笑顔が脳裏に浮かんだ。


「いつか絶対に会いに行くから、またこうやって一緒に花火見ようね」






「そしてもう一度、私のこと思い出してね」



彼女は目を閉じて、俺の唇にそっと口付けをした。