タイトル未定


「おぉーー、さすが都内でも有名な高校なだけあって、顔面偏差値高いねぇ」


あっ、あの人この前TVで見たことあるよ!

ウキウキしながら周りを見渡しているハルちゃん。



泉堂(せんどう)高等学校。


普通科の学校で芸能科なんてものは存在しないけど、あってもいいんじゃないかと思うほど有名人が在籍している学校らしい。


私はそんなことは合格後に知ったわけで、ここを選んだ理由は単に家が近いから。


徒歩20分内なんて、最高じゃない。


ハルちゃんは今推しているアイドルの人が2年生にいるらしく

どうしても入学してお近づきになりたかったんだとか……。


ハルちゃん、勉強苦手なのによく頑張ったと思う。



「みんなー、黒板の紙見て席着いてね〜」



気づけば担任の先生が教壇に立ち、皆を促していた。


小手(こて)先生は、背が小さくて少しぽっちゃりした、やわらかい雰囲気の女性教師だった。





大体私は窓側の一番前なんだよね、名前順だと。

黒板の紙を見て、うん、やっぱりと納得し席に着いた。