タイトル未定

【side 柚々】




────キーンコーンカーンコーン




「やーーっと終わった〜!」



伸びーっとしながらハルちゃんがやってきた。



「しゅうしゅう、準備室の整理ほんとに一人でやるの?」


「そうだよー、佐倉さん暇なら手伝ってよ」


「やだよー!それにこれからバイトだもん」




岩崎くんがそっかそっかと、笑いながら言った。




「私、手伝おうか?
このあと特に予定もないし……」



「ありがとう、でも大丈夫。
これ以上鮎川さんに迷惑かける訳にはいかないし、それに小手先生になんて言われるか。

じゃあ、また明日ね」




そう言って教室を出ていった。


どれくらい仕事量があるかは分からないけど、一人で整理なんて大変だろうな……。




「ああ〜、今日も柊くんとお話できなかったぁ」


「わたしもーー」


「ねー、お近づきになりたいのにぃ」




岩崎くんがいなくなると、女子たちの名残惜しそうな声が聞こえた。