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「蓮くんってホントに事務所入ってないのー?」
「うん」
「えーー!もったいない〜!」
「ねー!今日こそ蓮くんとご飯一緒に食べたいー!」
……うざい、近い、うるさい。
かろうじて面の皮は笑顔をキープしてるつもりだけど、精神はとうに限界を迎えている。
高校に入ってからまとわりついてくる女が増えた気がする。
こういうときはいつも、大雅が女を連れ出してくれる。
……多分、俺の限界値を察している。
どこいったんだよ、あいつ。
「「あれ、柊くんだっ!!」」
「今日もかっこいい〜っ」
岩崎の登場で、教室が一層騒がしくなった。
人のこと言える立場じゃないけど、よくあんなにニコニコしていられるな。
「鮎川さん、佐倉さん、おはよう」
……早速柚々に話しかけてんじゃねえよ。
あーー…女の相手に気疲れしたのも相まってイライラする。
これ以上いると態度に出てしまいそうで、教室を出た。
