噂を聞きつけてチャンスとでも思ったのか、俺を好きな女を集め、いじめを始めたと。
最初、佐倉にも黙って一人で教室を出ることが増え、不思議に思いこっそり後をつけたことで、やっと知ったみたいだ。
「_____今日柚々は一人で帰ったの?」
「いや、音楽室で待ってるって………」
嫌な予感がしたのは、佐倉も一緒みたいだ。
勢いよく教室をでた。
______バンッ
「柚々っ……!」
扉を開けると、柚々を囲んでいる数人の女子と
柚々の髪とハサミを持っている藤川がいた。
「れ、蓮様っ……?
どうしてここに……」
「今すぐその手離せ」
藤川は、すんなり柚々を解放し一歩、二歩と離れた。
それを見た周りの女たちも柚々のそばをパッと離れた。
「れんれん、もう早すぎるっ………─────って、柚々!!大丈夫っ!?」
後から追いかけてきた佐倉が、ぺたんと座り込んでいる柚々のもとへ駆け寄った。
柚々は俺がいることに驚いているような、安堵しているような顔でこちらを見ていた。
