柚々には、申し訳ないと思っている。
人前で接触するなと自分で言った割には、昨日自分から話しかけたり、無理やり連れて帰ったり。
朝もそうだ。
途中でバラけるなら、別々で登校すればいい。
なのに、柚々の母親、薫(かおる)さんに‘’柚々のことよろしくね‘’という言付けを言い訳にして、登校だけは一緒にするようにしている。
そんな中、どうしても昨日だけは無視するわけにはいかなかった。
岩崎のせいで。
しらっばくれてるけど、あいつとは面識がある。
おそらく柚々は気付いてない。
あいつの正体に。
2人の話を遠くから眺めていた俺は、気がつけば足が動いていた。
