廊下から見つけたのか、小手先生がやってきた。
「今日から日直なのに、お仕事ぜーんぶ鮎川さんひとりで頑張ってたわよ〜?
黒板消したり、教材運んだりー……」
「そっ、そんな大したことしてないですよっ」
「ほんと、ごめんね……?」
小手先生が大げさにいうから、岩崎くんがすごく申し訳なさそうに……っ!
それを見てハルちゃんニヤニヤしないの!
「……と、いうことでそんな理不尽な事先生許せませんので、岩崎くん、今日はもう放課後までいれるのよね?」
「は、はい」
「よし。
放課後、音楽準備室の整理を任命します〜」
人差し指をビシーっとたて、満足そうに言い放った。
「小手ちん‼︎
自分の仕事生徒に押しつけるのいくないーーっ!」
「ふふっ、なんのことかしらね〜。
じゃあやることはリストにまとめて置いておくから、頼んだわよ〜」
プンスカハルちゃんを上手くあしらって、るんるんと軽やかに小手先生は去っていった。
ほんとう、嵐みたいなひとだなぁ…。
