タイトル未定


「────つまり、この方程式を使うことによってこの答えがでるわけなんだなぁ」



ツンツンと黒板をチョークで指す、ちょっとクセのある数学の先生。


数学は得意だから、話を聞き流してノートに書き込む。




あの後、蓮のことを少し待ってみたけど戻ってきそうな気配はなかった。


聞こえているかわからないけど、空気に向かって『お邪魔しました』とだけ伝えて、蓮の家を出た。



朝は、昨日のことなんてなかったかのようにいつも通り玄関にもたれかかって待っていてくれた。


もちろん会話なんてなく、学校に着く前にバラバラになり登校した。


どうして学校に着く前に別れるかというと、蓮は私と登校しているって知られるのが嫌みたいだから。

前に一緒に登校しているところを目撃され、女の子たちからまるで記者かのように質問攻めされていた。



『蓮くんと付き合ってるの!?』


という質問に対して私は断固として否定し続けていた。

それを見ていた蓮は、



『柚々とはただの幼なじみ、それ以上もそれ以下もない。
そうやって勘違いされると、ちょっと迷惑かな。』



と答えていた。


一見質問攻めにあう私をフォローしてくれたかと思いきや、2人になったときに



『柚々と付き合ってるって噂されんの、迷惑。

人前で、俺にあんま関わってこないで。』



と、言われた。